Q&A

アポクリン腺が少なくても腋臭はしますか?

私は以前、とある美容外科で超音波法によるワキガ手術を受けました。
しかし、数ヶ月後にまた脇毛が再生し、ニオイも取れなかった為、また皮下組織削除法による手術を受けました。 しかし、まだワキガ臭と明らかに思われるニオイは残ったままです。
以上の2つの手術は今から5年前に受けました。

しかし、それらから数年経った今でも脇毛の再生もありませんし、ワキガ体質チェックでも耳垢が多少柔らかく、 また両親ではありませんが父方の親族に数人のワキガの人がいるという2点のみです。

でもニオイはハッキリと残っていて、 今働いているのですが、周りの人にもニオイで煙たがられます。これは全く気のせいでもなく、 自分でも風の向きなどでハッキリと普通の汗のニオイとは異なるワキガ臭を脇の部分から認識できます。

アポクリン腺が少なく、脇毛が無い場合でもワキガ臭がするというケースは考えられるのでしょうか。 もしこれから先ずっとこのニオイに悩まされる事を考えると気分は落ち込むばかりです。

信じることも大切です

あなたの抱える問題の全ては第1回目の手術の「前」に始まります。
つまり、最初の手術を受けた美容外科に診察に行ったとき、「あなたがどのようなニオイで悩んでいるのか」という 根本的な問題を避けて、即手術に移行してしまったことに問題があります。

あなたはもう2回も手術をうけているのですから、きっと「わきが臭」はほとんど取れているでしょう。

それでも、あなたの問題は解決されていません。
どこが解決されていないかというと、それはあなたの「わきの下」ではなくて、あなたの「こころ」が解決されていないのです。

あなたは、「まだ、わきの下にアポクリン腺が残っているのではないか」と疑心暗鬼になっています。その理由は、あなたにとって手術前と同じ「ワキガ臭」が今も認識できるからです。

でも、もしあなたの認識している「ワキガ臭」がもともと「エクリン腺のニオイ」であったらどうでしょうか。 エクリン腺の汗も、例えば精神性発汗が強い場合や温熱性発汗をたくさんした場合には「普通の汗のニオイ」と異なるニオイに感じることはあります。

ですから、残念だったのは、第1回目の手術の前に「試験切開」という検査を行い、あなたのアポクリン腺量を正確に判定して、その結果を教えてもらっていたら、あなたは今のような悩みを持たなかったはずです。

それに輪をかけて残念だったことは、2回目の手術も「器械」で行う方法だったことです。皮下組織削除法は、真皮の一部まで削るために吸引法よりも格段にアポクリン腺の摘出の信頼性は高いのです。

しかし、あなたにとっては大切だったのは、1回目の手術でどの程度アポクリン腺が残存していたのか、そして2回目の手術では、その残存していたアポクリン腺を完全に取り除いたという事実を「知る」ことでした。 ところが器械的方法では、その事実を「確認」するすべがないため、あなたに「もう大丈夫ですよと、教えてあげる」ことができなかったのです。

そのような二重の不幸が今のあなたの「これから先もずっとこのニオイになやされるのではないか」という気分にさせる原因です。

たしかに、アポクリン腺は1粒でもあればワキガのニオイはします。
しかし、だからといってそれが人に迷惑がかかるわけではないのです。

あなたはもう2回も手術を受けているのですから、100%完全にワキガ臭をあなたの体から追放するという発想は止めるべきです。

現実には、腋毛が再発してもそこにアポクリン腺が残存しているとも言えないし、腋毛が無くともアポクリン腺があることもあります。
しかし、一般的には腋毛がきれいになくなっていればアポクリン腺がきれいに取れたと思ってよいでしょう。

少なくとも、あなたの場合にはそのように信じるべきです。

少なくとも、第3回目の手術は避けるべきです。

親からもらった体を無用に傷つけるべきではありません。

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[監修] 五味 常明先生 五味クリニック院長
医学博士。体臭・多汗研究所設立。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる。「診療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。日本心療外科研究会代表。『汗をかけない人間は爬虫類化する』(祥伝社)他、著書多数。

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