Q&A

ワキガではないのに脇のニオイが気になります

私は先日申し上げた様にワキガではなく体臭で悩んでいる27歳の男ですが、 そのワキガでないという事が判明したのは先生の病院での手術の結果でした。 アポクリン腺の量と大きさからの診断でありました

しかし、ニオイの悩みは軽減されず、その後も私自身色々な方法を試してき ました。食事療法や多種のサプリメントの服用などです。
それでも明らかにワキの部分から発酵した様なニオイや時には脂ニオイニオイなどが臭ってきます。 これは自分の思い込みでもなく、いつもではないですが空気の流れなどで自分でハッキリと気付きます。

体臭の原因物質が腸内で作られるものであるとした場合、私は確かに胃腸 が弱いです。 すぐに胃がモタれたり、排泄状態も良くないです。 ちなみに病院で自律神経の検査も受けましたが、内臓の機能に変調を来たす異常はないという結果でした。

上の文章をご覧になって神経質と思われるかもしれません。 それでも一時は自分のニオイを受け入れ様と考えた時期もありましたが、どうしても職場での他人の反応に負けてしまいます。 「ニオイ」という一言に。

的を得ていない文面で解り辛いとは思いますが、この場合のニオイでもワキガではなく、体臭という範疇に入るのでしょうか。 そして自分勝手な言い分ではありますが、どういった方法を取っていけばいいのでしょうか。

ご返答

職場などで体臭を受け入れようと努力してもどうしても「ニオイ」という言葉に負けてしまう あなたのいたたまれないお気持ちがよくわかります。
「クサイ」という言葉はわたしたちの心を本当に傷つけトラウマを与えてしまうものなですね。

でもあなたがその言葉に心を痛めるのは、あなたの性格がそれだけまじめで他人を気遣うやさしさや責任感があるからなのです。
あたりまえですが、他人に迷惑がかかってもなんとも思わないような人は絶対に体臭で悩むことはありません。

それでも、今あなたがニオイで苦しんでいることは事実です。
それは解決しなけれはいけない事実ですが、あなたにはもうひとつ「事実」があるのです。

それは、あなたはもともと「アポクリン腺が原因となる体臭」は少なく、 さらに今現在他人に迷惑をかける体臭の最大の原因となるアポクリン腺はあなたの脇の下には1粒も存在していないという事実です。
あなたには、まずこの事実を信じてほしいと思います。 その上で体臭を次のように分類してみましょう。

それは、アポクリン腺が原因となる体臭とそれ以外のものが原因となる体臭です。 そのように分けるとあなたの「ワキガではないか」という悩みも整理されてきます。 つまり、「ワキガ」という言葉はそれ自体正式な医学用語でもなくあくまで俗称です。 みんな勝手に脇やその周辺からのニオイを「ワキガ」と呼んでいるのです。

つまり馬吉さんの場合にも生きている限り当たり前に出る脇の下からのさまざまニオイ(アポクリン腺以外の)を あなた自身が「ワキガ」という差別用語にとらわれてしまっているように思いますがいかがでしょうか。 (間違っているかもしれませんが)

今あなたに必要なことは「アポクリン腺のニオイ」でなければ人には迷惑はかからないのだという強い思いです。 そのような信念です。

このことは今のあなたには大変困難なことかもしれません。
でも、体臭の原因を追求していく努力と同じように、このような信念を追及する努力もしてほしいと思います。

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[監修] 五味 常明先生 五味クリニック院長
医学博士。体臭・多汗研究所設立。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる。「診療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。日本心療外科研究会代表。『汗をかけない人間は爬虫類化する』(祥伝社)他、著書多数。

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