寝汗がひどいんです
私は寝汗がひどいのです。症状といたしましては、
(1)首から下の全身発汗
(2)シャツが絞れるくらいの発汗量で、シーツやカバーが湿る
(3)夏はほとんどなく、ふとんをかぶる冬に多い。
(4)不定期である(3日に1回くらい)
(5)しかも朝まで気づかない
といったところでしょうか。とくに精神的に不安もないし、よく眠れます。
ちなみに体型はやせ型のっぽの男です。
洗ったばかりのシーツをよごしたり、いっしょに寝ている妻が不快感をもつので、困っています。
なにか対策を教えてください。よろしくお願します。
開き直ってください
人間は就寝時にはだれでも発汗をします。
それは睡眠が深くなると視床下部の発汗中枢の体温のセットポイントが下がり、体温を下げようとして汗をかくからです。
特に、最初に睡眠が深くなったときに多くの汗をかく傾向があります。
これらの発汗は「寝汗」と言っても全く生理的なもので異常ではありません。
汗のタイプも運動後にかくようなサラサラとした汗です。
ところが「寝汗」のなかでも「盗汗」と呼ばれる種類のものがあります。これは頭部や首から胸の周りを中心に粘っこい汗をかくもので、虚弱な人や、精神不安の人、慢性の消耗性の疾患の人に多くみられます。
こちらは、治療の必要があり、病気が治癒すれば寝汗も減少します。
もうひとつは健康な人でもよくあることですが、夜夢を見やすい人が何か興奮するような夢を見た時に一時的に「温熱性発汗」の中枢を刺激して多量の汗をかきます。このタイプの汗は朝型に「レム睡眠」をしているときに夢を見やすいためおこりやすく、朝パジャマがぐしょぐしょになっているため気になる人がいます。
記載内容から判断しますと、あなたの汗は病気による「盗汗」ではなく、むしろ健康すぎるために睡眠の深度が非常に深く、寝ている間の発汗中枢の体温のセットポイントの低下が強いための発汗だと思います。
ですから、体の一部でなく全身にかくのです。
また冬かきやすいのは、布団を厚くかけているため汗が蒸発しにくいためです。 奥さんが不快感を持つようですが、あなたの場合には汗をかくことがきわめて生理的なことなのですから、「オレの汗は健康な証拠だ」と開き直ることが肝要です。
医学博士。体臭・多汗研究所設立。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる。「診療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。日本心療外科研究会代表。『汗をかけない人間は爬虫類化する』(祥伝社)他、著書多数。