Q&A

皮脂のニオイが気になります

私は30歳のOLです。
saitaという雑誌で先生の記事をみました。
その中に、顔や胸、背中などの皮脂腺が多い部分から若い女性でも30歳くらいから「加齢臭」がすることがあるとありました。
わたしも最近、顔や胸などに、油くさいニオイが気になります。
毎日クレンジングしているのですが、効果がありません。最近はクレンジングのし過ぎか、皮膚がパサパサするのも気になります。
皮脂のニオイを抑えるにはどのようにしたらよいでしょうか

体臭発生の「酸化ルート」について

今までワキのニオイや汗のニオイ対策については、かなり説明してきましたが、今回は、皮脂腺や皮膚そのものからのニオイについて説明しましょう。

体のニオイの発生には大きくわけて2つのルートがあります。

一つは、それはワキガ臭や汗のニオイのように、皮膚の上で雑菌の発酵分解作用による「細菌ルート」です。
もう一つは、皮脂などのニオイの元が酸化されてニオイ成分となり、皮脂腺や皮膚などから直接放出される「酸化ルート」です。

とまとさんの質問は、この「酸化ルート」をどう抑制するかに関係します。

皮膚の上は、垢や角質の剥離されたもの、汗の成分、細菌、化粧品の残り等様々なものが重層されて付着しています。これらは肌を刺激するだけでなく、角栓をつくり、毛穴や皮脂腺の出口をつまらせます。
皮脂の出口がつまると、皮脂腺に中で活性酸素が発生し、過酸化皮質を発生の原因となります。これは皮脂を酸化させ、脂肪酸やアルデヒドのような体臭成分を産生します。このような酸化の過程でさらに活性酸素や過酸化脂質が発生して、ますます酸化が進むという悪循環(これを自動酸化といいます)が生じます。
このような過程でパルミトオレイン酸という皮脂からノネナールというアルデヒドが生じたものが「加齢臭」なのです。
しかし、実際は若い人でも皮脂腺の出口に角栓が形成された場合には、このような自動酸化がおこり、ノネナール以外のさまざまな脂肪酸が生成されて、皮脂のニオイが強くなるのです。

ですから、皮脂腺のニオイの第一の予防は、あたりまえですが、化粧品の残渣など肌のよごれを落とすことです。
そのような意味では、あなたのようにクレンジングや洗顔をすることは間違いではないのです。

しかしです。注意しなけばいけないことは「し過ぎ」です。
石鹸やシャンプーなどの洗顔料には、界面活性剤が含まれているものがあり、洗いすぎると皮膚表面の健康な皮脂膜を破壊します。皮脂膜がなくなると、皮膚の角質から水分が蒸発しやすくなります。
さらに、それが皮膚の角質層に染み込むと、皮膚のうるおいを保つ成分の細胞間脂質やNMFといった保湿成分が破壊され角質の細胞が萎縮してきます。
このようになると、皮膚の間隙からの水分の蒸発とともに一緒にニオイ分子が体臭として出てくるのです。
あなたが、クレンジング後に皮膚がパサパサするのは、このような理由からなのです。

対策としては、やはりクレンジングや洗顔の後は、乳液や美容液、ローションなどで「保湿」することです。
そのとき、ビタミンEとビタミンCとが含まれたものを使用するのがよいでしょう。

先ほど説明した皮脂腺の自動酸化の悪循環を断ち切るのによいものは、ビタミンEです。しかしビタミンEは、酸化を防ぐと同時に自分自身が酸化しやすいのです。
ビタミンCを併用でこのような酸化が防止され、E と C の「EC連合」の相乗作用で効果を倍増してくれるからです。

皮脂腺からの、ニオイの発生には、このような角栓の形成以外に、皮脂の分泌そのものが亢進する場合です。
その最も大きな原因はストレスです。ストレスは副腎から皮質ホルモンの分泌を促進して、皮脂の活動を盛んにし、皮脂腺のニオイを強くします。

また、動物性の脂肪やタンパク質、さらに酸化しやすい油の摂りすぎでも同様なことが起こります。

皮脂からのニオイが強く感じたら、できるだけゆったりとした生活を心がけ、食生活にも注意することが大切です。

Q&Aトップに戻る

[監修] 五味 常明先生 五味クリニック院長
医学博士。体臭・多汗研究所設立。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる。「診療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。日本心療外科研究会代表。『汗をかけない人間は爬虫類化する』(祥伝社)他、著書多数。

お客様の声

消臭したい気になるニオイは?

商品一覧

お問い合わせ
page top