Q&A

隠し続けるということについて

長年腋臭体質で悩んでいます。
 毎朝風呂に入り、無香料の制汗剤をつける事によって、通常の生活にはさほどの支障はありません。

 しかし、夕方頃になると自分のニオイが気になり出し(実際には臭っていないのかもしれませんが)、仕事に集中できません。 その為、仕事後の人とのつきあい事も遠慮がちになってしまいます。

 以前、大きな病院の皮膚科に相談を受けにいった時は、「ニオイがするのは生きている証拠だから、気にしないで。 あなたの場合、制汗剤をつけてれば臭わないんだから、毎日こまめにつけてれば大丈夫。」といわれました。

 たしかに、もともときれい好きな性格なので、今の生活を続けていれば日常生活に支障をきたすことは少ないかも知れません。 しかし、このことは私にとって重大な宣告をされたことと同じです。 つまり、私はこれから一生、脇の下のニオイを気にし、どんなに疲れていても毎朝風呂に入り、 恥ずかしい思いをしながら薬局で制汗剤を購入し、腋臭でない人達に引け目を感じながら、 窮屈な生活をしなければならないということです。腋臭体質はなおっていないのです。

 私は今体臭を隠しながら生きていく事に疲れています。 手術をして、ニオイがとれるものであるのならそうしたいのですが、良きアドバイスを お願い致します。

 尚、私は「自分でできる腋臭チェック」の全ての項目にあてはまります。


 まず、「日常生活にさほど支障はない」と書きましたが、厳密にはニオイが出ないわけではないのです。その日の汗のかき具合によっては(特に夏)夜になって臭ってくることがあります。また、出なかったとしてもそれは一日しか効果がないのです。仕事柄(広告業)徹夜で編集所にこもりきりということがよくあるのですが、そういう時の徹夜明けはほぼニオイます。

 次に、なぜ私が生きていく事が疲れる程必死になって腋臭体質であることを「隠す」のかということを説明させてください。
腋臭が発症した小学生の時に私は友人にそのことを打ち明けました。すると友人は汚いものを見るように「お前それって腋臭だよ、くっせー!」といってクラス中に広めてしまいました。それ以来私にはニオイ、汚いという(小学生にはよくあることですが)悪口が浴びせられるようになりました。ひどい時にはクラスメートの1人が脇に制汗剤をふきつける真似をしてクラス全員で笑うという事もありました。私は今でも当時の事が深いトラウマとなっています。

 私は気にしすぎているのでしょうか。でも、制汗剤をつけていない時の自分の脇のニオイをかぐと悲しくなってしまいます。私の悩みはやはり他の相談者とは違うのでしょうか。

悩みの本質について

あなたのトラウマは、そのような体験のないわたしたちには想像もできないすさまじいものだったでしょう。
でもわたし達が(少なくともわたしは)、今あなたの2通の手紙を通じて感ずることは、あなたは今までの社会生活の過程で、「ホリスティック」な意味ですが、既にトラウマを克服しているように思えるのです。

たぶんあなたのがんばりからは、周囲のだれもが広告業で徹夜でがんばっているあなたがそのようなトラウマから生活に疲れているとは思いもつかないでしょう。

でもわたしは今本当のあなたの心を知ってしまいました。
トラウマを抱えながら必死で生きてきたあなた。
だからこそ、わたしはそのようなアツシさんが好きです。
そのようなアツシさんはすばらしいと思います。
多分あなたは、今まで誰にもこのようなトラウマの体験を告白したことはなかったのではないでしょうか。
大変な決心があったことでしょう。

でも今あなたは、そのような心の深遠にあった感情を明らかにしました。
この時点で、もうあなたの「悩み」はあなただけのものではありません。
あなただけに特殊なものでもありません。
あなたはみんなと同じように「体臭そのもの」でも悩んでいるのです。
そのようなあなたなら、わたしは他の人と同じように次のような回答を用意しましょう。
それは、あなたが体臭から開放されることで今までの過去の記憶を一掃し、今まで以上にすばらしいあなたになれるなら、わたしのできることであなたに協力したいということです。

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[監修] 五味 常明先生 五味クリニック院長
医学博士。体臭・多汗研究所設立。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる。「診療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。日本心療外科研究会代表。『汗をかけない人間は爬虫類化する』(祥伝社)他、著書多数。

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