以前は夏でもあまり汗がでなかったのに、最近、ワキだけが異常に汗をかきます
はじめまして、こんばんわ。
私は22歳の女の子です。
ここ1ヶ月前くらいから始まったのですが、脇にひどく汗をかくのです。
昔は、夏ですらたいして汗が出ずに悩んでいたのですが、今は脇だけが異常に汗をかきます。
体は寒くて鳥肌がたっているのに、脇だけは湿っているのです。
最近は、神経質になってしまい、脇の汗が気になって気になって、 落ち着きません。
脇からニオイはあまり感じないのですが、ワキガの人は自分のニオイが分からないと聞きますし、精神的にまいってしまっています。
検査をしたほうがよいのでしょうか？
人にニオイで迷惑をかけているんじゃなかと思い不安でなりません。
あなたの悩みは意外と簡単でしょう
わきの下の汗の原因は二種類あります。
一つはアポクリン腺から汗をかく「ワキガ型多汗症」です。
もう一つは、エクリン腺から汗をかく「精神性発汗型多汗」です。
あなたの脇の汗は、間違いなく「精神性発汗」と言われるものです。
しかし、脇の精神性発汗では、さらに三つのタイプに分けられます。
一つは、純粋に汗だけを悩んでいる人です。（純粋型）
二つ目は、脇のニオイも同時に悩んでいる人です。このタイプの人は、実際にアポクリン腺が多く、精神性発汗のエクリン腺からとワキガのアポクリン腺からの両方から汗をかく人（混合型）です。
そして、三つ目は、アポクリン腺はないけれど、わきのニオイが気になることが契機となり精神性発汗となっている（擬似型）人です。
あなたの場合では、この中の第三番目の擬似型タイプのようです。
つまり、多分1ヶ月ほど前に何かのきっかけでフトわきのニオイが気になったことがあったのではないでしょうか。
その時を境にあなたは、「もしかして臭っているのではないか」、「自分には分からないニオイがあって人に迷惑をかけているのではないか」といった不安が絶えず頭から離れなくなってしまったのでしょう。
そのような不安は、「無意識の意識」を絶えずわきの下に向かわせます。
このような状態は脳の中では一種の緊張状態と同じなのです。
ですから脳の発汗中枢は、実際の緊張時と同じように交換神経に汗をかけと指令してしまうのです。
しかし、メカニズムは複雑ですが、この擬似型の精神性発汗の「治療」は意外と簡単です。
それは、精神性発汗のきっかけとなった不安を取り除けばよいからです。
その不安とは、「汗への不安」よりも、「ニオイへの不安」であるわけですから、あなたが人に分かるようなニオイがないことを、あなたの心の中で「証明」すればよいのです。
そこで効果的な方法が、もう何度となくでてくる「試験切開」という検査です。
少なくとも、わきの関してはワキガでなければ人に迷惑がかかることはないのですから、あなた自身でその事実を「確認」すればよいのです。
多分あなたの多汗の悩みは、その検査の瞬間に解消するのではないでしょうか。
医学博士。体臭・多汗研究所設立。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる。「診療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。日本心療外科研究会代表。『汗をかけない人間は爬虫類化する』（祥伝社）他、著書多数。
