Q&A

性交渉後の体臭について

性交渉したあと、きちんと入浴しても 体臭がきつくなるんです。
また、いわゆる『SEX』をしなくても、 一緒に寝るだけでもきつくなるみたいなのです。 どうしてなのでしょうか?
防ぐ方法はあるのでしょうか?
防げるとしたら、婦人科で治療するのでしょうか。 婦人科的な疾患も考えられますか?

すそワキガについて

あなたの質問情報だけでは判断しにくい部分もありますが(例えば体のどこの部分のニオイについてかなど)わたしのクリニックでの例についてお話します。

性交渉の後で体臭がつよくなるという訴えでわたしのクリニックを訪れる患者さんで、まず一番多いのは「ワキガのニオイ」が強くなるとというものです。
実際SEXとワキガ臭とは無関係ではありません。人のアポクリン腺の発生過程がニオイで異性を惹きつける役目があったことを考えれば当然なことです。
アポクリン腺の活動は性的な興奮によって活発になり、より強いニオイを出すようになります。性的な興奮は主に交感神経の活動やアドレナリンの分泌を高め、これらはアポクリン腺を刺激するは働きがあるからです。

次に多いのは、「すそワキガ」との関係です。これはとくに女性が多いのですがSEXのあと陰部のニオイがきつくなるという訴えです。
スソのニオイは、場所柄他人に相談しにくいため、一人で深刻に悩んでしまうケースが多いのです。
そこで今回は「すそワキガ」についてすこし詳しく説明いましょう。(あすかさんの悩みとは違うかもしれませんが)

すそワキガでも、腋の下の「腋臭症」と全く同じアポクリン腺が原因です。太古の昔では人のアポクリン腺はからだ全体にたくさん分布していたのですが、人間にとって「ニオイの役割」が喪失したためほとんど退化しつつあるのです。
しかし一部はまだ残存するところがあり、その大部分が腋の下なのです。
あとは、耳の中、乳輪周囲、臍周囲、そして陰部の周囲です。しかし実際には日本人の場合には脇以外の場所にアポクリン腺が存在することは稀ですし、存在したとしても退化してしまい瘢痕程度のものです。
したがって普通は脇以外の場所から強いニオイを発するということはないのですが、ごく稀には陰部周囲にかぎっては他人が感じることの出来る程度のニオイをだすことがあり、これを俗称ですが「すそワキガ」と呼んでいるのです。

しかし仮にすそワキガであれば治療は非常に簡単です。
なぜならスソのアポクリン腺は、脇のように活動的なものではありませんので、手術で全部摘出しなくても「電気凝固法」という方法で簡単にたんぱく凝固をおこしてニオイを出さなくなるからです。

しかし問題もあります。
それはスソのニオイで悩んでいる人が本当にすそワキガであるかという「診断」です。腋の下の場合アポクリン腺はイクラの卵のように大きく肉眼でハッキリと確認できるので「試験切開」という検査で簡単に診断が可能です。
しかし、すその場合には瘢痕化して肉眼で確認できないためそのような診断が不可能なのです。
そこでの治療上の問題は、わたしの経験上「すそワキガではないか」と悩んでいる人の半数近くは本来ニオイの原因がないにもかかわらず、対人的に悩んでしまう「自己臭」に属する人であるということです。
とくにSEXに対してなにかのマイナスの感情をもたれている人は、性交渉を契機に意識がことさら性器に向かうことによってニオイいう形で自己防衛することもあります。

ですから、あすかさんも陰部のニオイが気になるようであるならまず本当に体からニオイが出ているのか、それとも彼や性交渉の相手との関係においてニオイを気にしてしまうのかをはっきりとしなければなりません。

あなたの質問では「一緒にねるだけでもきつくなる」というこですがそこにはやはり身体的な要因だけでなく相手との相対的関係のなかでニオイを意識してしまうなにかがあるような気がします。(このへんの判断はもうすこし詳しい情報を必要とします)

SEXと体臭との関係では、以上の他にも婦人科系のホルモンとの関係や最近は性行為感染症との関係もあります。
これらについては、やはり婦人科の専門的診断をうけることをおすすめします。

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[監修] 五味 常明先生 五味クリニック院長
医学博士。体臭・多汗研究所設立。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる。「診療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。日本心療外科研究会代表。『汗をかけない人間は爬虫類化する』(祥伝社)他、著書多数。

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